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住まいの自習室

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相続登記の義務化

2024年2月20日

令和6年4月1日から相続登記の義務化が開始されます。不動産登記法改正後は「相続の開始および所有権を取得したと知った日から3年以内」に相続登記をしなくてはなりません。今までは相続が発生しても相続登記をするかどうかは個人の判断に任されていましたが、これからは相続登記を一定の時期までに手続きしないと、罰則が課されるようになります。

 

目次


①相続登記の義務化
②相続人申告登記
③相続土地国庫帰属制度

 

 

 

①相続登記の義務化

不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記しないと、正当な理由がある場合を除いて、10万円以下の過料が科せられます。相続人同士の話し合いがまとまらない、相続人の中で行方不明者がいるなど、3年以内に相続登記できない場合は、自らが相続人であることを申し出る「相続人申告登記」があります。

実家を相続しようにも、活用もできない、売却もできない場合もあろうかと思います。最近は、田舎の土地を相続しても利活用が出来ず、土地を手放したいと考える方も増加傾向にあります。それが相続の際に登記されないまま土地が放置される「所有者不明土地」が発生する要因の一つと言われています。売れる土地や活用可能な土地であれば、承継したいと考える子供たちがいるものの、相続しても煩わしい土地、しかも誰も買わないであろう土地は、相続人みんなが相続登記をも敬遠しているケースもあります。そのような所有者不明土地の発生予防策として創設されました。

 

 

②相続人申告登記

遺産分割協議が一定期間内で整わない場合は、「相続人申告登記」という制度も新設されました。「相続人申告登記」とは、亡くなった人名義の不動産について、相続人自らが法務局に対し自分が相続人である旨を申し出ることによって、登記官がその申し出た相続人の住所・氏名などを職権で登記記録に登記することをいいます。そういう制度を利用することで、相続人が相続登記の義務を果たしたことになり、過料は免れます。

相続人申告制度は相続人全員ではなく、自分一人だけで申告することも可能です。
申出をする相続人自身が被相続人(亡くなった方)の相続人であることが分かる当該相続人の戸籍謄本を提出することで法務局が職権で登記記録を登記してくれます。

 

 

③相続土地国庫帰属制度

相続または遺贈によって宅地や田畑、森林などの土地を相続した人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国に引き渡すことが出来る制度です。相続しても処分に困る方は、この制度の利用を検討しても良いかもしれません。

相続した空き家や土地は、所有し続けるだけで、固定資産税やメンテナンス費用がかかります。売却したいと思っても買い手が見つからない場合もあろうかと思います。
このような場合に、相続した土地を国が引き取ってくれる制度が令和5年4月からスタートしています。宅地だけでなく田畑や山林も対象です。ただし、建物が建っている土地は引取り対象外です。また、引取りが決まった場合は、国に10年分の土地管理相当額の負担金(20万円程度)を納めないといけません。

 

 

 

 

 

『相続登記の義務化』 ~まとめ~

実家を空き家のままにしてある方も多いかと思います。いつかは実家をどうすべきか?考えなければならない時期が訪れます。また、少子化の今、自分の子供に田舎の実家を相続させたくないと考える親世代もいると思います。令和6年4月1日から相続登記の義務化が施行されます。これを機会に親の実家をどうすべきか?親が元気であれば、親も交えて、子供たちで話し合ってみましょう。2018年の全国の空き家は約849万戸で、総住宅数に占める空き家割合は実に13.6%を占めています。国土交通省が行なう「住宅・土地統計調査」は5年ごとの調査になりますが、今年の4月頃に発表される調査結果が待たれるところです。日本は人口減少が続いている国ですが、住宅総数は増加しています。人口が減っているのに住宅が増えているのはおかしいですが、核家族化や一人暮らしが増えていることが空き家増加の要因の一つでもあります。
相続登記をきちんと済ませないと売却や賃貸に出すことも出来ません。相続で不動産を取得した方は3年以内に相続登記の手続きをしましょう。

 

居住中の内見顧客の迎え方

2024年2月20日

居住中物件を売却する場合、生活している空間に購入希望者のご案内が組まれることが当然にあり得ます。新築物件や転居済物件であれば、好きな時間帯での内見で問題ありませんが、自分たちが居住している売出物件は、ありのままの生活空間を見てもらうことになります。生活空間の内見を受け入れる際の心構えについて、ポイントをお伝えいたします。

 

居住中物件の内見では、日常の生活感や家具・水回りの使用感が如実に表れてしまうことは否めません。しかし、購入希望者にとって、内見は物件見学の唯一の手段であり、購入の決断可否を判断する唯一の場面になります。言い換えると、内見時の物件状況やその場の雰囲気により購入希望者は決断することも往々にありますので、大変重要な場面になります。
 

 

目次

①故障や不具合がないことを感じてもらう。
②ゆっくりと説明を受けながら、一通り室内を拝見してもらう
③物件とともに、売主の人柄や接し方も見られていると意識する

 

内見希望者は、売出物件に対して、予算や立地、間取りや広さ、周辺環境などに何らかの魅力を感じているのは間違いありません。その反面、「設備の老朽化や劣化具合」「使用感や損傷個所」「日当たりや騒音、臭い」など、中古物件ゆえに内見しないとチェック出来ないポイントを確認するために内見に来るのです。
 

 

 

①故障や不具合がないことを感じてもらう

設備の故障や不具合があると、購入価格の他に修理費や修繕費を考慮しなければなりません。購入希望者の決断を鈍らせるだけでなく、指値が入って価格交渉される場合もあるでしょう。特に水回りを気に掛ける購入希望者は多いです。特に排水溝の臭いやカビ、水あかなどの汚れは予めキレイにしましょう。
 

 

②ゆっくりと説明を受けながら、一通り室内を拝見してもらう

先ずはリビングの整理整頓を心掛けて、スッキリと見せる工夫をした方が良いでしょう。置き物が多かったり、雑誌や新聞が積み重なっていると、雑然と見えるだけでなく、部屋が狭く感じてしまうものです。また、ドアや襖等の不具合や開閉時の引っ掛かり等がある場合は予め修繕しておく事をお薦めいたします。購入希望者に建付けに対する不安感を増幅させる恐れがあります。フローリングやクロスなどの使用感は「許容できない汚損や痛み」を除いて、やむを得ないかもしれません。
 

 

③物件とともに、売主の人柄や接し方も見られていると意識する

購入希望者が購入するのは「家」ですが、潜在意識の中に、「いい人からいい物件を買いたい」という気持ちが入っています。言い換えると、「嫌な人が住んでいる家は買いたくない」という無意識の抵抗が入っています。すなわち、売主は、内見を受け入れるときに購入希望者を避けて部屋の奥に隠れるのではなく、内見希望者を笑顔で出迎えて、自らご案内した方が確実に人柄を評価されるのです。また、室内の雰囲気を雑貨や小物でイメージアップする「ホームステージング」も欠かせない要素になります。人は誰しも「ワンランク上の暮らしをしたい」という願望を持っています。玄関やリビングだけでも「ちょっとオシャレに」「いつもより品良く」という魅せ方をすることも大切といえます。時々、収納内部の広さや奥行を確認したいという希望もあります。事前に、見せられる収納部と見せられない収納部は色分けした方が望ましいと言えます。

 

 

 

『居住中の内見顧客の迎え方』 ~まとめ~

内見時の売主の対応や接し方によって、購入希望者の決断は影響を受けます。いかに決断するハードルを下げるかが大切なポイントになります。売主の立場としては、掃除が行き届かない箇所や破損・汚損が大きい箇所は見せたくないものです。しかし、購入後のトラブルや行き違い、後日の再内見の二度手間等を避けるためにも、設備の不具合や内装の破損汚損は予め内見希望者に見せた方が望ましいと言えます。その誠実な人柄に対して、購入希望者は安心感を持ち、購入の決断を早める可能性もあります。購入希望者にとって中古物件は、不具合や破損汚損があって当たり前という考え方もあるものです。その不具合や破損汚損が許容できたり、修繕可能であれば、購入の決断に影響は及ばさないと考えます。
 また、不具合や破損汚損があり場合は、事前に不動産会社に相談して、修繕工事の見積もりを取得しておきましょう。内見希望者もその見積書があれば、自分の出費額を予め把握できるため、決断し易くなるでしょう。

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