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「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例:(空き家の譲渡特例)」

2024年5月24日

空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例とは、相続または遺贈によって空き家及びその敷地を取得した相続人等が、相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで(なおかつ特例の期間内)に、「被相続人居住用家屋(又は家屋及びその敷地)」あるいは「被相続人居住用家屋の敷地等」を売却し、一定の適用要件を満たす場合、その売却に係る譲渡所得金額から、最大3000万円を控除できる特例のことです。

 

「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例:(空き家の譲渡特例)」が4年延長され、適用期限が令和9年12月31日までとされました。また、令和6年1月1日以降に行う譲渡については、耐震リフォーム・除却要件が緩和され、相続人等が3人以上いる場合は特別控除額の上限が減額されました。

 

①家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたものであること
②売却金額が1億円以下であること
③耐震リフォームをする場合、譲渡日までに、または譲渡の翌年2月15日までに家屋が耐震基準に適合すること
④除却する(敷地のみ譲渡)場合、譲渡日までに、または譲渡の翌年2月15日までに家屋を除却すること

 

令和5年度税制改正では、譲渡日の属する年の翌年2月15日までに、譲受側(購入者)が空き家等の耐震リフォーム・除却要件を満たせば良いこととなり、適用要件が緩和されました。

 


 

目次

①特例の適用期限が4年延長
②耐震リフォーム
③除却要件が緩和
④相続人が3人以上いる場合の特別控除額が減額

 

 

 

 

①特例の適用期限が4年延長

(改正前)平成28年4月1日~令和5年12月31日まで
(改正後)平成28年4月1日~令和9年12月31日までに


空き家問題は依然として社会問題となっていることから、特例の適用期限を延長することで、空き家発生の抑制への取組みが必要とされていることがわかります。
 

 

 

②耐震リフォーム

(改正前)譲渡日までにその家屋が耐震基準に適合
(改正後)譲渡日までに、又は、譲渡日~譲渡年の翌年2月15日までにその家屋が耐震基準に適合


空き家の譲渡特例は、譲渡側である相続人が満たすべき、一定の耐震リフォームが設けられていましたが、今回の改正により、譲渡日の属する年の翌年2月15日までに、譲受側(購入者)が空き家等の耐震リフォームの要件を満たせば良い事になりました。
 

 

 

③除却要件が緩和

(改正前)譲渡日までに家屋を除却
(改正後)譲渡日までに、又は、譲渡日~譲渡年の翌年2月15日までに家屋を除却


空き家の譲渡特例は、譲渡側である相続人が敷地の譲渡であれば家屋の全部を取壊し除却する必要がありましたが、今回の改正により、譲渡日の属する年の翌年2月15日までに、譲受側(購入者)が除却等の工事を実施すれば良い事になりました。

 

 

④相続人が3人以上いる場合の特別控除額が減額

令和5年度税制改正前の空き家の譲渡特例は、相続人が複数名いる場合であっても、控除額はそれぞれ3,000万円ずつと定められていました。
しかし令和5年度税制改正により、相続人が3人以上いる場合は、控除額が一人あたり2,000万円に引き下げられます。
令和5年中の譲渡であれば、控除額が最大9,000万円(3,000万円×3人)である一方、令和6年以降の譲渡では控除額が最大6,000万円(2,000万円×3人)となります。

 

 

空き家の譲渡特例 ~まとめ~

  空き家の譲渡特例は、空き家が放置されないように相続人を後押しするために設けられた特例で、家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたものであること、売却金額が1億円以下であることなど、さまざまな適用要件が設けられています。注意が必要な点として、相続した時から譲渡する時まで、事業・貸付・居住の用に供されていないという要件もありますので、注意が必要です。

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