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共働き夫婦が住宅ローンを利用する場合の注意点

2024年11月21日

住宅ローンを契約する際、どのような契約方法にするかを迷っているという方もいるのではないでしょうか。

今回は、共働き世帯向けに3パターンの住宅ローン利用法とそれぞれのメリット、注意点をご紹介します。

 
不動産価格の上昇により、東京都23区の新築マンションは2023年、平均価格が1億円を超えています。

俗にいう「億ション」と言われる高額マンションが多くなり、共働きのパワーカップルが2人で住宅ローンを借りないと購入できない価格になっています。
※ただし、マンション価格の中央値は「8,000万円台」になります。

 

 

目次

①1人で住宅ローン
②ペアローン型住宅ローン
③収入合算型住宅ローン

 

夫婦共働き世帯が住宅ローンを組む場合、その組み方にもそれぞれに特徴があります。
そのメリットやデメリットの他、将来的なリスク等を勘案した上で慎重に検討しましょう。

 

 

①1人で住宅ローン

住宅ローンを一人で契約するメリットは、契約者の配偶者に収入がある場合に、その分は別のことにお金を使える点です。子どもの教育費や車の購入費、行楽など、住宅以外に必要なお金を貯めたい場合には、とても良い方法といえるでしょう。また、住宅ローン契約者の配偶者が万が一産休や育休、病気で収入がない時期があっても、返済に差し支えることはありません。

万が一、金利が上昇した場合であっても、配偶者に収入があれば住宅ローンの返済に窮することも無いでしょう。

ただし、住宅ローンの収入審査では、申込者のみの年収だけがチェックされるため、希望金額を借り入れできない可能性もあります。特に自己資金が少なく、高額物件を購入したい人は注意しておきましょう。


・住宅ローン契約:1本
・連帯保証人:保証会社のみ
・団体信用生命保険:1本
・住宅ローン控除:1人

 

 

 

②ペア型住宅ローン

「2人で住宅ローンを返済し、双方ともに住宅ローン控除を受けたい」と考えている場合は、「ペア型住宅ローン」をオススメいたします。

ペア型住宅ローンでは、住宅ローン控除を2人とも受けることが可能です。また、万が一のときに残債が保険金で支払われる団体信用生命保険には2人でそれぞれ加入できます。

収入合算のときと同様、2人分の収入を合算して収入審査が行われるため、一人で借入時よりも多くの金額を借り入れられる可能性が高くなります。

2人の自己資金が少なく、高額物件を購入したい夫婦にはピッタリの住宅ローンでしょう。ただ、ペアローンは、住宅ローン契約が2契約となり、契約時の手数料や諸経費も2契約分必要になります。

また、片方の配偶者が会社を退職した場合、一馬力で住宅ローンを返済していくことになります。将来的な見通しを勘案した上で、検討しましょう。

 

・住宅ローン契約:2本
・連帯保証人:夫と妻、保証会社あり
・団体信用生命保険:それぞれ
・住宅ローン控除:それぞれ

 

 

 

③収入合算型住宅ローン

借入金を多くしたいと考えるのならば、夫婦2人の収入を合算、片方を主債務者、もう片方を連帯保証人として審査される「収入合算」の利用を検討してみましょう。

収入合算型の場合、住宅ローン契約は1契約です。2人でお金を出し合って返済するとしても、住宅ローン契約時にかかる手数料は1契約分で済むこともメリットといえるでしょう。

反対に、団体信用生命保険は主債務者のみになる点は注意が必要です。連帯保証人に万が一のことがあっても残債はそのまま残ります。また、住宅ローン控除の控除対象者は主債務者のみのため、返済計画もしっかりと立てておきましょう。

もし、片方が産休や育休、病気で収入が減少したりなくなったりした場合も、毎月の返済金額は変わりません。

 

・住宅ローン契約:1本
・連帯保証人:配偶者、保証会社あり
・団体信用生命保険:1本
・住宅ローン控除:1人

 

 

 

~まとめ~

共働き夫婦は住宅ローンを利用する際、夫婦2人で住宅ローン控除を利用した方が税額控除の面で恩恵が大きいといえます。

住宅ローン控除は、正しくは「住宅借入金等特別控除」といい、住宅ローンを利用して住宅を新築・取得・増改築する場合に、毎年の住宅ローン残高の0.7%を最大13年間、所得税から控除することができる制度です。

なお、所得税から控除しきれない場合には、翌年の住民税から控除されます。
2024年度の税制改正では、子育て世帯や若年夫婦世帯に対する控除が拡充されました。

対象となるのは、「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦いずれかが40歳未満の世帯」で、それぞれ他の世帯よりも借入限度額が高く設定されています。

離婚して家を売却する場合における財産分与の考え方

2024年11月14日

夫婦が離婚する際、自宅は夫名義だから私には関係ないと考える妻もおります。しかし、離婚後の妻の生活や住処を考えた場合、安易に考えずに専門家に相談しましょう。
 

離婚に伴って不動産を財産分与する場合、夫婦それぞれが受け取る割合は不動産の持分割合とは無関係です。基本的な考え方として、財産分与の割合は「2分の1ずつ」とされているからです(専門用語で「2分の1ルール」ともいう)。

ただ、この「2分の1ルール」は法律で明確に定められているわけではありません。「不動産は100%妻が引き継ぐ」でも、「共有財産は夫が全て引き継ぐ」でも、夫婦間で合意が得られているのであれば、何ら問題はありません。
※実務上は「2分の1ルール」が原則となりますので、裁判(離婚審判)になった際、2分の1と異なる財産分与割合を主張する人は、主張の正当性を立証する責任を負います。

 

目次

①離婚で家を売却することの注意点
②家を売るタイミング
③財産分与する場合のポイント


夫婦が離婚する際の状況は夫婦それぞれだと思います。子育ての状況や働き方・収入、住宅ローンの借り方などの要素が多様であり、比較すること自体が難しいかもしれません。考え方のポイントを記載しますので、ご参考になさってください。

 

 

①離婚で家を売却することの注意点

離婚で家を売却する場合、住宅ローン返済や財産分与などを考えれば、整理しやすいかもしれません。財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築いた財産を離婚時に平等で分け合うことです。お互いに合意すれば、どちらか一方が全額を受け取ることも可能です。

婚姻前に購入した家でも、婚姻後に夫婦で協力して支払った分は共有財産となります。2人で支払った分が財産分与の対象です。

一方、婚姻前から所有している家やいずれかの親から無償で贈与・相続した家は、特有財産と呼ばれ、財産分与の対象になりません。
財産分与の対象となる家の売却をスムーズに進めるためにも、売るタイミングや注意点を理解していきましょう。

 

 

②家を売るタイミングはいつか?

家を売るタイミングもメリット・デメリットを理解したうえで、自分の状況にあった方法を選択しましょう。

家を売るタイミングが離婚前でも離婚後でも、査定して家の価値をはっきりすることが大切です。

家が売れてから離婚すると、離婚前の財産分与が贈与とみなされ、贈与税の課税対象となる恐れがあります。

贈与とは、無償で財産を分け与える事です。どちらかの名義だけの家を売却して得た売却益を分け合い、家の名義を持たないほうが売却益を受け取ると、贈与を受けたとみなされる場合があります。

しかし、事情によっては離婚前に家を売らなければならない場合もありますので、その際はデメリットを理解した上で売却しましょう。

高値で売れて贈与税を払っても得になるケースや、相手方の親が購入するケースなどの特殊事情があれば、家を売る判断も間違いではありません。なお、離婚調停中でも合意すれば、家を売却できます。
離婚後に家を売る場合、転居にかかる手続きや離婚に伴う各種手続きなどを済ませた上で売却活動に取り組めます。そのため、売却時期を子供の進学や転居のタイミングに合わせるとストレスも少なくなります。

ただし、売却に時間を要する場合もありますので、極力、並行して進めるのが無難かもしれません。

 

 

③財産分与する場合のポイント

財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して築いた財産を離婚時に分け合うことです。

家の名義がたとえ夫婦どちらかのみであっても、夫婦の協力によって形成されたものとみなされるため、財産分与の対象になります。財産分与の割合は夫婦それぞれ2分の1ずつが一般的ですが、話し合いによって変更可能です。

財産分与には3種類あり、離婚原因や夫婦に収入、年齢等の状況を勘案して共有財産の分配割合を決めることになります。話し合いで決定しなかった場合や、そもそも話し合いができない状況にある場合は、家庭裁判所に調停もしくは審判を申し立てできます。


・清算的財産分与
夫婦それぞれの貢献度は2分の1ずつとみなされ、夫のみが働きに出ている場合であっても、妻の「内助の功」的な解釈により妻は共有財産の2分の1が受け取れます。ただし、婚姻期間中における様々な事情を鑑みると、必ずしも共有財産を半分ずつに分けた方が良いとは考えにくい場合もあります。


・扶養的財産分与
専業主婦(主夫)でどちらか一方が経済的に弱い立場にある場合、共有財産を経済的に弱い立場の配偶者に多くの共有財産を渡すことを「扶養的財産分与」といいます。
(例えば)
①夫婦の片方が幼い子供を養育する必要があり、離婚後にフルに働けない場合
②夫婦の片方が高齢・病弱などが原因で、離婚後に就職が困難である場合


・慰謝料的財産分与
夫婦間で紛争が起こっている場合に、慰謝料請求と財産分与の請求を同時に行う場合もあります。原則として、夫婦間での慰謝料請求と財産分与の請求は別々のものと考えるのが通常です。しかし、不倫やDVが離婚原因の場合、慰謝料請求は財産分与の請求と一緒に行うのが妥当とされます。

 

 

~まとめ~

財産分与の話し合いをした場合、例えば「預貯金は折半にして、不動産は妻、家具や電化製品は夫が引き取る」など、共有財産の分配方法を決めましょう。

財産分与について夫婦間で合意形成が取れたら、離婚協議書に合意内容と各共有財産の価格について記載することが望ましいです。そうすることで、後々、余計なトラブルが生じるのを回避できるからです。
また、離婚に伴って養育費などの取り決めがある場合、強制執行力のある公正証書を作成しておくと良いでしょう。

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