人口減少に伴う新築住宅減少を受けた積水ハウスの戦略
日本国内では人口減少に伴い、新築住宅も減っていきます。
長期的にみれば先細る市場で、積水ハウスの仲井嘉浩社長はどのような戦略を取っているのでしょうか。
住宅縮小時代での今後の需要
積水ハウスの注文住宅の着工戸数は、この10年間で4割減りました。
今後、2030年までは年間80万戸で横ばいが続き、決して伸びる市場ではないが住宅縮小時代とはとらえていません。
まだ日本の住宅の質は不十分であり、政府も耐震性や断熱性能を中心に、良質な住宅ストックの形成を促しています。
十分な建て替え需要があり、2桁成長は難しいですが、1桁成長は可能な市場です。
資材価格高騰による値上げ
21年に木材価格の高騰「ウッドショック」を理由に積水ハウスは住宅を値上げしました。
ウクライナ危機を経て、さらに資材価格は上がっています。
今後の資材価格の上昇もある程度は織り込んでいますが、さらに上がり続けるならば、再び値上げを考えなければいけません。
積水ハウスの強み
ゼロエネルギー住宅(ZEH)や換気システムなどの様々な高付加価値型の住宅を伸ばしていかないといけません。
世の中の住宅の水準が高くなれば、他社との違いを打ち出すのが難しくなり競争力はなくなりますが、日本の住宅ストック形成には望ましいことです。
耐震性は積水ハウスに優位性があり、それ以外の提供価値については研究開発を重ねています。
中古住宅の重要性
国内の住宅市場で生き残るには、中古住宅も重要な商品となります。
しかし日本では中古住宅の流通が海外と比べて遅れています。
耐震性と断熱性が高い住宅ストックがたくさんあれば、流通は活性化します。
耐震性や断熱性が不十分な住宅はスクラップ・アンド・ビルドの対象となり、流通しません。
これはリフォーム産業の成長にもつながります。
強固で長持ちするストックがあるからこそ住まい手は再投資し、さらに価値の高い住宅にしようと考えます。
低質な住宅に住んでいると、再投資にも躊躇するはずです。
米国でのM&A
海外事業へ本格的に取り組んでいて7月に米チェスマー・ホームズを買収し、米国でのM&A(合併・買収)は3社となりました。
積水ハウスは米国の現地ビルダーの住宅より中高級帯に力を入れています。
市場の平均価格が55万ドルとなっている状況で、17年に買収したウッドサイド・ホームズ・カンパニーは60万ドルです。
画一的な住宅ではなく、ライフスタイルに合ったオプションを用意していることが背景にあります。
今後は積水ハウスが60年間培ってきた住宅のテクノロジーを世界に移植供給できると考えています。
まとめ
日本の住宅市場が縮小している今、住宅メーカーの立場では顧客に様々なソフトウエアを提案して単価を上げることは重要ですが、本当に必要な機能なのかどうかは精査する必要があります。
住宅売却・購入も今が必要な時が迷われる方もいらっしゃると思います。
住宅購入・売却にお困りのときは、矢口渡で15年の実績があるイエステーション矢口店にご相談ください。
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新しい自由が丘へ 駅前再開発
東京都目黒区の自由が丘駅前が大きく変わろうとしています。
老朽化した中小ビル群を店舗と住宅の複合施設などに建て替える計画が進んでいますが、どのような計画なのでしょうか?
自由が丘の人気に陰り
自由が丘は東急電鉄の東横線と大井町線が乗り入れる自由が丘駅を起点に、スイーツや雑貨、ファッションといった個性的な店舗が広がっています。
周辺の高級住宅街の街並みも相まって、女性を中心に人気を集めてきましたが、そのブランド力に陰りがみえてきました。
再開発が進んだ川崎市の武蔵小杉や東京都世田谷区の二子玉川、目黒川沿いにおしゃれな飲食店が集まる目黒区の中目黒など近隣エリアの人気が高まる一方、自由が丘は上位の常連だった「住みたい街ランキング」で下位に沈むようになったのです。
自由が丘の現状
駅近隣では築40年以上の建物が4割を超え、雨漏りや地震時の倒壊、火災時の延焼などが懸念されていました。
駅前通りは一方通行の1車線で歩道もきちんと整備されていないため、路線バスが歩行者すれすれを走行するなど安全面の課題もありました。
再開発では道路の拡幅や歩行者空間の確保も同時に進め、歩きやすい街の実現を目指します。
3つの再開発計画
自由が丘1丁目29番地区と自由が丘駅前地区と自由が丘東地区の3つの再開発計画が進んでいます。
自由が丘1丁目29番地区は最も先行していて、ヒューリックと鹿島を事業協力者として、22年1月に市街地再開発組合を設立しました。
計画では0.4ヘクタールの敷地に地下3階地上14階建ての複合施設を建設し、低層部は店舗やオフィス、中高層部はマンションとなります。
25年度の完工を目指しており、着工を前に既存ビルの入居者は順次退去し始めています。
残る2区画も店舗・オフィスと住居棟の複合施設になるとみられ、3棟で少なくとも計500戸程度のマンションの供給が見込まれます。
まとめ
課題が山積していたにもかかわらず建て替えが進まなかった理由は、自由が丘のブランド力が健在で出店希望者が絶えず、安定した賃料収入を得られていたため現状維持のままきてしまったのでしょう。
再開発は失敗例も多くあり成功に導けるよう新たな自由が丘の魅力を引き出してほしいものです。
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港区が国際新都心へ
不動産大手が東京都港区で大規模な開発を繰り広げています。
港区はどのように変化するのでしょうか?
港区の特徴
明治大学の市川宏雄名誉教授は「総合力の高い街だ」と指摘します。
オフィスに強い千代田区や銀座など商業の印象がある中央区と比べ、港区はオフィスや住宅、商業、エンターテインメントなど幅広い分野に強みを持つと評価します。
六本木を中心に外資系企業や大使館が集まり、教育機関の充実もあって外国人の居住者も多く、21年の「社長の住む街」ランキングで20年に続き首位でした。
社長比率は13.8%と、およそ住民の7人に1人が社長とされます。
虎ノ門エリアの開発
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
23年には地上49階建てが完成します。
東京メトロ日比谷線の「虎ノ門ヒルズ駅」と一体開発し、最上部にはイベントなどを開くビジネス発信拠点を設けます。
虎ノ門・麻布台プロジェクト
東京タワーに近い約8万1千平方メートルの区域に高さ330メートルの超高層ビルを建て、インターナショナルスクールや高級ホテルなども誘致します。
東京・お台場からはデジタルアートミュージアムが移転・開業します。
虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー
森ビルは22年1月、地上54階建てを完成させました。
供給戸数は547戸(分譲や賃貸、短期滞在)で、広さが約1270平方メートルの超大型住戸もあります。
会員制スパやインターナショナルスクールなどを併設し、国内外から入居の引き合いがあるようです。
港区開発の懸念点
「三田ガーデンヒルズ」は三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスが旧逓信省庁舎跡地に建設する1002戸の高級分譲マンションで、約2万5千平方メートルの敷地面積は分譲マンションとして港区最大です。
マンションは22年冬から売り出す予定で、販売価格は現時点で未定ですが最高額は数十億円になる見込みです。
多くの日本人にとって手の届かない水準で戸数も多いため売り切るのは容易ではなく供給過多の懸念もあります。
まとめ
「世界の都市総合力ランキング」で、東京は6年連続で3位と高く、港区など都心部で続く再開発は国内で東京一極集中を助長させる形ですが、中長期的に「東京」の磁力を上げることは世界から有力企業や優秀な人材、お金、モノが集まる好循環につながります。
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